意識障害の方の体位変換について その3(手順編2)

体位変換

前回の続きを写真を使って説明していきます。

「看護師さんだから上手くできる」と思われた方もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

こんなことを書くと同業の方から苦情が来るかもしれませんが・・・

看護師が必ずしもみんな体位変換が上手というわけではありません。

仕事でよく言うことなんですが、こういったケアなどはその人の<センス>もあります。ヘルパーさんでも看護師よりうまい方は多くいらっしゃると思います。

体位変換などの行為を行う際に一番考えていただきたいのは「本当に楽な体位or姿勢か?」ということです。何も考えずに行うケアには相手のことを配慮するという感情はありません。

厳しいことを言うようですが、上向いてるか横向いているかわからないような体位変換には意味がありません。やるならしっかりとやる。中途半端な姿勢は介護者(ケアを受ける人)の負担にしかならないのです。

ちなみに今まで私が見てきた体位変換の悪い例を2つほどお見せします。(再現です)

写真ではわかりずらいかもしれませんが上記の場合は、背中の三角枕がほとんど身体から離れていてほとんど仰臥位に近い体位になってます。

このような体位ではやってもやらなくても一緒です。今まで説明したように体位変換は褥瘡予防をするために行うので同じ部位が当たるようなら予防にはなっていないということです。

これも上記同様意味のない体位変換です。身体は横向きなのに下肢がまっすぐの姿勢。自分もやってみてください。違和感と不快感しかないと思います。

これを見ている介護経験の長い方は驚かれるかもしれませんが、実際に私が在宅経験の中で目撃(自宅も病院も)してきた一部です。

側臥位の手順

ここで重要なのが身体を動かすときに、ゆっくり行うことです。

長期臥床の方は急な動きによって眼振(がんしん※)が起こります。人によってはこの眼振で気分が悪くなる人もいます。

※眼振⇒正式名称は眼球振盪(がんきゅうしんとう)といい、規則的,持続的に振れ動く眼球の往復運動をいう。

背中の真ん中あたりに三角枕の先端が当たるように入れ込む。

仰臥位の手順

仰臥位のときは手順1で説明した腰の持ち方で頭側へ上げた後、上記のようにクッションを当てていきます。骨の出ているところがベットの直接当たらないよう柔らかめのクッションを選んでください。

仰臥位の時も側臥位の時も体位変換が終わった後は、頭側もしくは足元側から身体の軸がまっすぐになっているか必ず確認して下さい。

最後にもう一つ写真を見てください。

クッションカバーなどにはチャックがついていたりするのでこれも身体に当たらないようにしてください。こういうのも床ずれの引き金になります。

なな猫
なな猫

これで体位変換に実践編は終了になりますがどうでしたか?

知子さん
知子さん

体の向きにはいろいろあったり、持ち方だったり大変なことが

多いって思ったわ。

なな猫
なな猫

そうですね、体位変換は何をするにしても必要な技術になるので

大変なんですがひとつづつ確実に覚えていきましょう。

知子さん
知子さん

焦らず失敗しながらでも、覚えていかないといけないわね。

家族にはしんどい思いをさせたくないから。

なな猫
なな猫

なかなか写真だけではわかりづらいかもしれませんが、不明なところは

いつでも聞いてくださいね。

体位変換で使う物品で紹介していないものもあるので「おすすめアイテム」でまた紹介します。

最後に・・・

今回載せている画像(手順編1&2)は私自身が載っている物もありますが、現在訪問介入中の居宅介護施設S様のヘルパーさんにも撮影協力していただきました。納得のいくアングルを載せるために何回も撮影を重ねたので人物に統一がないのはご了承ください。

改めて今回の撮影に快くご協力いただいた『S』のスタッフ一同様本当にありがとうございました。

この場をお借りしてお礼申し上げます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました